相対音感トレーナーの使い方

トレーニングにあたって、音感トレーナーの使用法を紹介しておきます。

相対音感トレーナーの種類

相対音感トレーナーはいくつかの種類用意されています。まず無印の単音。2つの音が鳴るダイアド。コードが鳴る物はいくつかバリエーションがありますが、コードというグループでまとめてあります。

それぞれの練習はできれば1日100問ぐらいずつ毎日やるのが効果的です。
それぞれ練習目的が違いますので並行して練習を進めてしまってもいいんですが、毎日数時間も音感練習だけに取り組むというのは現実的ではないでしょう。1個ずつ及第点レベルまで練習していくのが良いのではないでしょうか?

それぞれのトレーナーの詳細はここから順番に見ていきます。

相対音感トレーナー(単音)

相対音感トレーナーの単音バージョンではそれぞれダイアトニックのI-IV-V-Iというケーデンスが鳴った後、単音が鳴ります。ケーデンスに対して何の音に聞こえるか、移動ドで答えて下さい。正解/不正解は右側に表示されます。

単音に関しては全てのキーでC3〜C4(ピアノの中央のドから1オクターブ上まで。)がランダムで鳴ります。1オクターブに限定しているのは、ランダムで鳴らしていってもあまり音域が広いと、それぞれの音の出現頻度が低くなり過ぎるためです。

各キーの12音でのトレーニングは難易度が高いので、まずはビギナー版をクリアーしてから進む事をお勧めします。クリアーってどういう事なのかと疑問に思われる方も多いと思います。ずばり言ってしまうと、100問中100問正解できる事です。ダイアトニックスケール上の音に関してはカラーの違いが明確です。100%の正解率まで達するのは比較的容易ですので、早い人なら2,3週間、遅い人でも三ヶ月もあれば達成できるのではないかと思います。

ビギナー版がクリアーできたら次は12音の方に進みます。こちらは特に決まった順番はありませんので好きなキーでやって頂いて良いのですが、ある程度のレベルに達したら(正解率95%以上ぐらいでしょうか?)、構成音が似た調を連続でやってみるとより高い精度の音感の習得が期待できます。

具体的に例を上げると、Cのキーをやった後にGとかFのキーの練習をやるという事です。五度圏での隣り合った調は構成音の違いは一個だけですから、連続してトライすると前のキーの感覚を引きずりやすいのです。より高い調性の意識がないとミスするので、よりハイレベルの練習として使える訳です。 12音でも最終的な目標は100%正解に到達する事です。ですが、ビギナー版で100%を達したのに比べると長い道のりになりますので、あまり無理をしない事。大事な事は息の長い取り組みです。毎日続けられる分量をちょっとずつで良いのでコツコツと続けるようにしてください。

相対音感トレーナー(ダイアド)

ダイアドの相対音感トレーナーでは2つの音が同時に鳴りますので、その2つの音が何度離れているのかを答えてください。

ダイアドに関しては単音とは違い、いきなり12種類の音程全部にトライして頂きます。これはそれぞれのダイアドのカラーが明瞭だからです。はじめのうちからそれぞれがはっきり違う個性を持っているのは感じられると思いますので、特にビギナー版は用意していません。

ダイアドはコードの相対音感トレーナーに進む前にしっかりとやり込んでください。100%達成までの難易度は単音のビギナー版とそんなに違わないと思いますので、比較的短期間でマスターできるのではないかと思います。

これは飽くまで個人的な見解ですが、単音のビギナー版の場合は一回100%に達したらかなり長期でも音感が定着していますが、ダイアドやコードの場合は定着するまでの期間が長いように感じました。100%に到達した後も完全に定着したと思えるまでは時々チェックした方が良いかもしれません。

相対音感トレーナー(コード)

コードの相対音感トレーナーに関しては2つのタイプを用意しています。クローズドヴォイシングでコードの種類を識別するトレーニングとダイアトニックコードでコードの機能を識別するトレーニングです。

この2つは全くタイプの違うトレーニングですので、お好みで好きな方から進めて頂いて構いません。
ただ、イヤートレーニング関連の教則本で紹介している「視唱の練習」をテキストとして使用している場合は和音の聞き取りの内容がダイアトニックコードの聞き取りなので、ダイアトニックから進めた方が良いかもしれません。

クローズドヴォイシングに関しては言うまでもなく、トライアドの方が簡単ですので、トライアド→四和音という順番で進むのが良いでしょう。四和音に関しては一般的なコードだけでなく、考えうるだけイレギュラーなコード(クリシェの経過でしか出てこないような物まで)も含めさせて頂きました。これはコードを塊で識別するのではなくて、 内声の動きまで気を配って聞き取れるようにする事を狙っています。

ダイアトニックコードの表記に関しては転回形の事も考慮に入れて、クラシック方式の和音表記を使用させて頂きました。