今までではあり得ないハイペースでの更新です。
台風が来て激しく雨が降っていますが、別に私が更新したせいで天変地異が起きている訳ではありません・・・。
ジャンゴロジー~スペシャル・エディション | |
ジャンゴ・ラインハルト
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さて気を取り直して、今回の記事は音感トレーナーで結果が出ない方へ(2)で予告しましたマイナースケールの聴ける楽曲第1弾です。ちょっと録音が古いですがジャンゴ・ラインハルトのMinor Swingを紹介したいと思います。
ジャンゴ・ラインハルトと言えば、つい数年前、ギター弾きの恋という映画のおかげでちょっとしたブームがあったという話ですが、こういうのって実際「ブームというほどどっかで流行ったのか?」と突っ込みを入れたくなるほど、とんと流行っている様子を見ない訳で。実際、聞いた事がある方は少ないかもしれません・・・。
今回紹介するのはそんなジャンゴ・ラインハルトの代表曲です。このMinor Swingという曲は何度か録音されていますが、今回は1949年のバージョンです。個人的にはこのバージョンが一番好きなのと、録音年代が比較的新しいというのが選択理由です。古いには違いありませんが、現在はリマスターの精度の向上もあり、古くささも味の一つとして楽しめる程度の良好な音質で聴く事が出来ます。
ジャズギターのパイオニアとしてチャーリー・クリスチャンと並び称される事もあるジャンゴですが、個人的にはこの異端のプレイスタイルの人をビバップのメインストリームにいたチャーリー・クリスチャンと比較するのはちょっと違和感を感じます。聴いて頂ければ分かりますが、おそらく一般の人がジャズと聞いてイメージするサウンドとは全く別ものといった感じです。
まあ、長々と評論家みたいな事書いても仕方ないですね。このブログはひたすら理屈っぽく突き進むべしという事で、ぼちぼちスケールの話でもしたいと思います。
この曲はメロディックマイナーとハーモニックマイナーのカラーの違いをどっぷり堪能できます。以下、特徴的なアプローチを紹介しておきますので、是非採譜しながらサウンドの違いを堪能してみて下さい。
この曲のトニックはAm6なので、当然の事ながら長6度のF#の音が多用されています。これはメロディックマイナーを特徴づける音ですね。それ以外に耳に残るフレージングとしてはAm、G7、G#dimのアルペジオが結構分かりやすく使われています。Amに関しては特に語る事は無いですよね。G7はこの場合、ナチュラルマイナーのbVIIの和音ですね。G#dimはハーモニックマイナーのVIIの和音がG#dim7ですから、当然ハーモニックマイナーのカラーが出て来る訳です。メロディックマイナーとハーモニックマイナーでの違いはF#とFの違いですから、ディミニッシュを弾けば、そのカラーの違いがクッキリと出て来る訳です。
ちょっとコード進行に触れておきたいと思いますが、この曲は経過音的な物を無視すればAm6,Dm6,E7/Bの3つがメインになっています。Dm6はナチュラルマイナーかハーモニックマイナー、E7はドミナント7thですからメロディックマイナーかハーモニックマイナーという事になります。
それにしてもこんだけコテコテのドマイナーの進行はなかなかあるもんじゃありません。1曲目にこの曲を選んだのはなかなか良いじゃないかと思わず自画自賛したくなります。(笑
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リットーミュージック 2006-10-20 |
音源を聴いてジャンゴに興味が湧いたら、こちらの教則DVDもお勧めです。
こちらのDVDでのMinor Swingは1937のバージョン中心の解説ですが、特徴的なコードフォームや独特の演奏スタイルも含めてかなりマニアックに追求していてなかなかに面白かったです。
—(書籍)—————————————————–
ジャンゴ・ラインハルト?ジプシージャズ・ギター奏法? | |
おすすめ平均 ジャンゴマニア ジャンゴ奏法 by G-Tools |
書籍版の方は私は未チェックですが、1949年バージョンのスコアも入っているようです。でも、ここを見てくれているという事は多分イヤトレ中という事ですよね。できるだけ耳コピした方が・・・。