初心者のための相対音感トレーニング

このページではこれまで音感のトレーニングをした事がない、もしくは音感のトレーニングはしているけど方法が正しいのか分からないといった方に向けた、ごく初歩的なトレーニング法を紹介します。

トレーニングに際しては楽器をご用意下さい。複数の音が同時に鳴らせる楽器ならば何の楽器でもできますが、ピアノの音色(電子ピアノでもソフト音源でも可)がもっとも向いています。

ドレミファソラシドはちゃんと歌えますか?

「何を馬鹿な事言ってんだ」とお叱りを受けるかもしれませんが、まずはちょっと音感テストです。楽器等でド(C)を確認してみて、ドレミファソラシド(C Major scale)と歌ってみて下さい。一オクターブ上のドまで来たら楽器でまたCを鳴らして確認してみます。ひょっとして歌った音がはずれていませんでしたか?もしずれていたならば、これからしばらく毎日2,3回で構いませんので、同じ事をやるようにしてみて下さい。

ダイアド(2音)での音感トレーニング

それでは練習らしい練習をスタートしましょう。ダイアド(2音)での音感トレーニングからスタートしたいと思います。ここではC Majorでのトレーニングを紹介したいと思います。

C Majorのダイアド

この楽譜はC Majorの7つのダイアドです。2つの音を同時に鳴らしてそれをよく聴き、歌う。これがもっとも基本的な音感のトレーニングです。以下の手順で7つのダイアドを聴き取り、分解して歌えるようにしてみて下さい。ひょっとしたら離れた音の方がコツがつかみやすいかもしれません。その場合は譜面の右側のダイアドから順にトレーニングを進めても構いません。

(1)音のうねりを聴く

2つの音を同時に鳴らしてよ〜く耳をすまして聴いて下さい。
音が消えていく過程でうねうねと2つの音が鳴っているのが感じられますか?ギターやベースを耳でチューニングする人なら音がずれているとうねりが出るのを知っていると思います。あれと同じようなものです。音が完全に消えるまで焦らずじっくりと聴きましょう。

これは私の主観ですが、上の音と下の音が交互に表に出て来ては入れ替わりしているように感じられます。あなたの聴こえ方はひょっとしたら違うかもしれません。 音の塊の中に2つの音がある事が感じられるようになれば成功です。初めはうまくいかなくても、1日15分、1週間も続ければ聴こえ方が変わって来るはずです。 のんびり構えてやってみてください。

(2)2つの音を順に歌う

同時に鳴らした2つの音が聴こえるようになってきましたか?
それでは今度は鳴っている音を聴きながら下から上の順に歌ってみましょう。

歌ったら再度音を鳴らして正しかったかどうかチェックしてみます。どうですか、イメージしていた音は正解だったでしょうか?うまくできたら、上から下の順にも歌ってみて下さい。余裕があれば、同様に他のキーでもトレーニングしてみて下さい。

トライアド(3和音)での音感トレーニング

さて、ダイアドでの音感トレーニングはうまくいきましたか?うまくいかない方は焦らずにC Majorでできるようになるまではそちらに集中して下さい。ここからはトライアド(3和音)での音感トレーニングに進みます。

C Majorのトライアド

この楽譜はトライアド(3和音)と単音での組み合わせ(6パターン)です。まずは和音をよく聴いて、それから組み合わせ6パターンを歌えるようにしていきます。

(1)音を聴く

やる事はダイアドと一緒でひたすらよく聴いてみるだけなのですが、難易度が上がるのでちょっとだけヒントです。鳴らしても3つの音が分離して来なかったらまずは単音で1個だけ音を鳴らして、それから和音を鳴らしてみましょう。和音の中に先ほどの単音が入っていないか、耳で探ってみて下さい。ダイアドの時と違って、和音に入ってからは歌う練習も並行して進めてみるのも良いでしょう。

(2)3つの音を順に歌う

歌う順番はまずはダイアドと同じように下から上の順が良いのではないかと思います。できるようになったら順番を入れ替えてみましょう。(楽譜に書いた通り、6パターンの組み合わせがあります。別に順番は楽譜に従う必要はありません。)もちろん他のコードでもできるようにしていきましょう。

Cのダイアトニックを完成したいならDm→Em→F→G→Am→Bdim、まずはメジャートライアド制覇ならG→D→A→E→B→F→Bb→Eb→Ab→Db→Gbみたいな感じで進めてみてください。

ちょっとだけ視唱でテスト

さて、ここまでのトレーニングはいかがでしたでしょうか?音感修得度のテストとして、ちょっとだけ視唱のトレーニングを試してみましょうか?本当は「鍵盤で和音を覚えて云々かんぬん・・・」といきたいところですが、今回はシンプルにコードを付けておきました。コードが鳴らせるなら伴奏は自分のメインの楽器でオーケーです。簡単に手順を紹介しておきましょう。

1 コード進行を弾いて耳に馴染ませる
2 メロディーに目を通してイメージする
3 コードを鳴らしながら歌ってみる

読譜等、総合的なトレーニングにも繋がる練習ですが、今回は音感のトレーニングがメインです。まずはリズムは無視してしまっても良いので、コードを頼りにメロディーの音程がとれるようにする事を優先しましょう。余裕が出て来たらしっかりリズムに乗せられるようにしていきましょう。それでは以下の譜例で練習してみましょう。

C Majorでの視唱
↓メロディー+コードの参考音源です。

うまく出来ましたか?もしうまくできなくても大丈夫。反復練習でリズムに乗せて歌えるところまで練習してみて下さい。どんな人でも100回もやればできるようになると思います。

ちょっとだけ聴音でテスト

音感修得度テストその2。聴音もちょっとだけ試してみましょう。五線譜を用意して下さい。4小節のC Majorのメロディー(最後の2分音符以外、全部4分音符です。)が流れますので書き取って下さい。 C→F→G→Cの順で和音が鳴った後、4分音符のクリック4回鳴ったらスタートです。

(↓ 再生ボタンを押して下さい。)

解答を見る
(参考までに頭の和音も書いてありますが、終わりの方の4小節だけ採れればOKです。)

正解できた方はおめでとうございます。聴き取れなくてもがっかりする事はありません。ここまでの練習をしっかりこなしていれば、十分音感は身に付き始めているはずです。


という事で、ごく初歩的な音感トレーニングを紹介させて頂きましたが、いかがでしたでしょうか?あくまで初歩的な部分ですので本格的な音感トレーニングのきっかけになれば幸いです。

さらに上のレベルの音感トレーニングに関しては一人で出来る相対音感トレーニングをご覧下さい。