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ピアノ/キーボードの教則本

このページではピアノ、キーボードの教則本を紹介したいと思います。この頃は個人レベルでも完パケで音楽制作ができるようになって便利な時代になったなあと思うのですが、一方で鍵盤を弾けるかどうかで生産性が大きく左右されるので非鍵盤奏者としては痛し痒しといったところです。私自身もギターメインなのでこの点は悩ましいところだったのですが、作編曲のツールとしても鍵盤には大きな強みがあるのは否めませんので、一念発起して練習に励んでいます。ここでは私同様、他の楽器がある程度のレベルに達していてピアノ/キーボードに挑んでみようという方向けの教材を中心として扱っていきたいと思います。初期目標としてはコードを見た時、「シンプルなコードバッキングが出来るようになる」です。結果的に初心者向けの物も結構出て来ると思いますが、一部楽器経験がない場合には難しい教則本もあるかと思います。一応、レビューで内容は分かりやすくするつもりなので、その点はご了承下さい。


バークリープラクティスメソッド/キーボード(Russel Hoffmann,Paul Schmeling/エーティーエヌ)

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全8曲の課題曲を通してコードでのバッキングとペンタトニック中心でのソロを習得するコンセプトの本です。各曲はコードのセクションがボイシングを覚える→手でリズムを叩く→実際のバッキング、ソロセクションがスケール練習→コール&レスポンス(CDが2小節フレーズ入り→2小節キーボード無しという構成になっていて、キーボード無しの部分で直前に弾かれたフレーズを真似て弾く)、さらに最後に「毎日の練習」というタイトルで発展的な練習という一貫した流れになっています。コール&レスポンスのところが言葉にすると非常に難しそうに聴こえますが、フレーズはちゃんと譜面に書かれていますし、ペンタトニックのフレーズなので実際にやってみればそんなに難しい物ではありません。付属CDがカリキュラムにしっかりと沿った物になっているので、バンドで曲の練習をしている感覚で取り組めるのがこのシリーズの良いところです。難点を言うならば、レベルを初学者からちょっと弾ける人まで幅広く捉えている感じなので、セオリー解説等が初歩的過ぎて些か冗長な感じがする点と、総合的に練習するという面ではソロ関連のフォローが大分不足している点でしょうか。 「シンプルなコードバッキングができるようになる」という目標には非常にマッチした教則本だと思います。


イージー・ジャズ・コンセプション/スタディ・ガイド ピアノ・コンピング (Jim Snidero/エーティーエヌ)

amazon→イージー・ジャズ・コンセプション/スタディ・ガイド ピアノ・コンピング

ジャズコンセプションシリーズの初級編です。コンピングに特化した内容になっています。テンションを使ったコードウ゛ォイシングを学びたい方向け。付属CDの出来が良いのでマイナスワンに合わせて弾いているだけでも楽しいですが、コードの習得のためには最初の「コンピングのための学習のポイント」を読んでシェル・ウ゛ォイシングの練習(EX.6)はして、練習する曲のコード進行は先に覚えるようにしておいた方が良いと思います。


おとなのためのピアノ教本 全5巻(橋本晃一/ドレミ楽譜出版社)

amazon→おとなのためのピアノ教本シリーズ(1〜5巻)

クラシックとポップスの両方を練習してしまうというおいしいコンセプトの入門者向けピアノ教本です。1,2巻はCD付きとCD無しの両方があります。3巻以降はCDは付属していません。このシリーズは「バイエルとかやるのはだるいし、コードの弾き方も勉強したい。」という方にはベストだと思います。4巻までいくと大体ソナチネ・アルバム程度の難易度で、5巻はソナチネ〜ソナタアルバム程度の曲集という内容です。私自身は4巻までしか持っていませんので、ちょっと5巻の内容は分かりません。私には1冊終了を目安に目標を立てやすいし、ごく初歩からスタートするので非常に使い勝手が良い本でした。姉妹編で「おとなのためのテクニックマスター」という運指練習の本も出ているのですが、こちらは正直言って蛇足な感じがします。テクニック練習をするならばハノンだとかリトルピシュナあたりを買った方が良いんじゃないでしょうか。


リトルピシュナ 48の基礎練習曲集

Amazon→リトルピシュナ 48の基礎練習曲集(60の指練習への導入) 解説付 (zen-on piano library)

ピアノのメカニカルな基礎練習と言えばハノン が第一に挙げられるかと思いますが、私は個人的にはリトルピシュナを推したいと思います。まず第一に両手の独立性を高めるために非常に効果的です。初級者であれば、この教本の練習を15分ほどするだけでも劇的な効果を感じる事ができます。これは練習の前後になにか曲を弾いてみて、そのタッチの差を感じるだけでも相当な違いがでます。また、冒頭から全てのキーを移動していくスタイルである事も見逃せないポイントです。相対音感と移動ドを推奨する 当サイトとしては鍵盤上でキーが移動する感覚を掴むためのテキストとしても非常に勧められます。全調を移動するために若干譜読みが面倒に感じるかもしれませんが、メカニカルな練習なので基本は平行移動です。非常に短時間の練習で大きな効果が望めるので、これからピアノの練習をする方には是非お勧めします。


黒河好子のPianoサプリ ピアノを弾くからだ 指のトレーニング編

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附属DVDの内容がとても良いのでDVDコーナーにしようかとも思いましたがこちらで紹介。

独学でピアノの練習をしていると悩むのが手や指のフォームではないでしょうか。 こういう部分は本で読むだけでは分かりづらい部分も多いはずです。身近に矯正してくれる人でもいればいいですが、そうでなければ映像でどういう形で弾いているのか理解する位しか方法がありません。 でもピアノという楽器はなかなか細かい手の動きが見づらい楽器です。普通の演奏会の映像はもちろんの事、教則の類いであっても手元の動きは把握しづらい物が多いのが悩みどころ。この教本でおいしいポイントはそこのところです。 親指単体の動きとか、手のフォームとかの細かいけれどもわかりづらい部分にフォーカスした作りになっており、そんなにボリュームがある訳ではありませんが、独習者にはかゆいところに手が届く嬉しい内容です。

動きの解説と連動して紹介されているエクササイズは鍵盤をいくつかの指で押さえた状態で演奏するような練習が中心です。「コルトーのピアノメトード」で多く見られるようなエクササイズですね。 この手のエクササイズは関節の柔軟性に欠けるタイプ(私もそうですが。)の人には非常に有効な練習法だと思います。 このように説明するとコルトーの本みたいにややこしいカリキュラムなのかと誤解を受けそうですが、この本はあくまで自分の弱点に合わせて、効果的なエクササイズを選択して練習するような気軽に取り組めるスタイルですのでご安心を。

このように内容的には私にしては珍しく全面的に良いと断言できます。ただ、ボリュームの割に高く感じてしまうのがタマに傷ですが、クラシック系でDVD付きっていうのが珍しい試みなんで正直仕方ないかな〜。 続刊も出ているようなので、近々買ってみようかなと思っています。

以下順次追加・・・