ソフト音源+小型MIDIキーボード(10,000〜50,000円)

それなりのPCがあればMIDIキーボードを接続してソフトウェアで音色を鳴らす事ができます。 最近のMIDIキーボードはおまけでCubaseやSonarの廉価版まで付いて来たりしますので、せっかくなので簡単なDAW環境まで整える方向で話を進めたいと思います。 すでにDAWソフトを導入済みの場合はキーボードの話以外は読み飛ばしてしまってOKです。

このプランではどこまで機材を揃えるかで予算が大きく違って来てしまいます。
できれば全部揃えたいところですが、予算が足りなければどこかで割り切りが必要です。いずれは全て整えたいところですが、 焦る必要もないので、予算と相談してまずは可能な範囲から整える事が肝心です。

まずは49鍵のMIDIキーボード

当サイトの主旨からして和音がちゃんと鳴らせる事が最重要なのは言うまでもありません。 MIDIキーボードは最小で25鍵とか32鍵もありますが、やはり49鍵以上は必要です。49鍵だと一度にカバーできる音域は4オクターブ。 大体これでごく基本的なコードボイシング+ベースラインの両手弾きが可能です。

また、これぐらい小さいサイズの物に関してはミニ鍵盤(通常のピアノやキーボードより鍵盤の幅が狭い)の製品もあります。 ミニ鍵盤なら当然横幅は通常の物よりコンパクトになりますが、普通のキーボードとは指の感覚が異なって来てしまいます。 応用が効きづらくなるので通常の鍵盤の方をお勧めします。

キーボードと言えば普通はスタンドも欲しいとなるところですが、DAW前提の場合は小型ならデスクの上に置いてしまっている人も多いと思います。 実際ディスプレイの前に置くのが使い勝手が良いと思いますが、置き場所がないなら幅の自由が利くX字型のスタンドを用意しましょう。

用意するハードウェア

パソコンを音楽に使うにはいくつか必要なハードウェアがあります。
それぞれの装置が何に使う物かとか解説していると非常に長くなってしまうので、そういう事は別の機会に置いておいて ここではキーボードをつないで音を鳴らすのに最低限度何を用意すれば良いかだけに焦点をしぼって話を進めていきましょう。

まずはUSB接続のできるMIDIキーボード。
MIDI端子だけだとMIDIインターフェースも必要になるのでUSB接続可能な物に限定しておきます。もちろんパソコン側にも USBが必要ですのでお忘れなく。キーボードはバスパワー(USBからの電源供給)が必要な物もあるので、基本本体に接続する 方向で考えてください。USBハブを使う場合は電源供給できるタイプの物を用意して下さい。

あとはオーディオインターフェース。
音の出入り口になる装置です。いずれは一番拘りたいところですが、とりあえずは1,2チャンネルの一万円位の物でOK。 最悪、パソコンのサウンドボードも一応はオーディオインターフェースですので、安いヘッドホンかPC用スピーカーがあれば そこから音が出る事は出ますが、ギターとかマイクを接続する機会も普通はあると思うし、これは用意するべきだと思います。

一、ニ万円の価格帯でこだわれるポイントは入力が1チャンネルなのか2チャンネルなのかという点でしょう。 これは楽器をマイク、ミキサーの使用の有無がポイントになると思います。 アナログミキサーのステレオアウトをつなぐ場合は当然LRのステレオなので入力が2チャンネル必要です。 マイクに関してはボーカルはあんまり関係ないですが、楽器を録る場合は2チャンネルあった方がアンビエントを立てるとか 選択肢が増えます。基本、よく分からないなら2チャンネルにしとくと無難。楽器のライン接続とボーカル用マイクぐらいしか つなぐ予定がないならば別に1チャンネルでもOKです。

最後に音が出る装置。スピーカーかヘッドホンですね。
オーディオインターフェースを買う場合はどちらか片方だけでもちゃんとした物が欲しいところです。 無理な場合はとりあえず手持ちのヘッドホンかスピーカーを使って、余裕がある時にまた考えましょう。 (普通の家電的なスピーカーとかヘッドホンだと端子の形が違うので変換プラグはお忘れなく。)

ヘッドホンならMDR-CD900STが標準的なので、これにしておけば間違いはないでしょう。 スピーカーはパワードスピーカー(アンプ内蔵のスピーカーの事です。)で色んな製品があるので、できれば出音を聞いて決めたいところです。 こちらはある程度の物をペアで揃える場合は最低でも6万円ぐらいは予算が必要です。とりあえず安くてもそれなりに使える物を選ぶならYAMAHAのMSP3が良いでしょう。 良くも悪くもラジカセ的なシャリッとしたカラーの出音ですが、将来もっと高級なスピーカーを手に入れても、ミックスやマスタリング時のセカンドモニターとして長く使っていく事ができるでしょう。

という事でまとめ。USB接続のMIDIキーボード。オーディオインターフェース。余裕があればちゃんとしたスピーカーかヘッドホン。以上ですね。

ソフト音源とバンドルソフト

MIDIキーボードは単体では音が出ないので、音源となるソフトが必要です。ただ、最近はバンドルで音源とか付いてくるので当面はそれでOKですね。 むしろここで気をつけたいのはメインとなるDAWソフトを何にしたいかです。

DAWソフトの中でメインとして使うソフトは普通、Cubase、Logic、SONAR、Digital Performerのいずれか(ProToolsはとりあえず除外)です。 このうち、2万円以下のハードに付いて来るのはCubaseかSONAR、いずれかの廉価版です。現時点でDAWソフトを持っていない場合はこのどちらかが 付いて来るハードを選んでおくのが良いでしょう。

両方とも掘り下げれば非常に多機能なので、どちらが良いとも言いにくいです。見た目が気に入った方で良いと思うのですが、身近にDAWソフトを 使っている人がいるなら、その人と同じソフトにしておけばデータのやり取りとかが便利です。あとはCubaseはWin,Mac両方でいけますが、 SONARはWinのみの対応なので、注意が必要です。

さて、最後は当たり前の話になってしまいますが一応念のため。
普通のパソコンのソフトと一緒で、お持ちのパソコンが動作条件を満たしていなければ使いようがないので、必ず公式サイトの情報で確認するのをお忘れなく。 このページでは紹介製品に公式サイトのリンクも添えるようにしていますのでそちらを見て下さい。

お勧めのMIDIキーボード+オーディオインターフェース

ここからは実際の製品を見ていきたいと思います。
キーボードのみ必要な場合、Cubaseが欲しい場合、SONARが欲しい場合の3つに分けて見ていきます。

MIDIキーボードのみ

すでにDAWソフトを利用しておりMIDIキーボードだけ必要な場合は、49鍵のMIDIキーボードというポイントだけ押さえれば後は好きな物でOKです。 49鍵に限定しても結構な種類がありますが、このページではあくまでも低予算でのチョイスに拘りたいと思います。

低予算の物は大体9千〜1.5万円ぐらいで、鍵盤+ベンド/モジュレーションホイールというシンプルな仕様です。 高額な物(だいたい3〜5万ぐらいでしょうか?)は各種のパラメーターに同期して操作する、MIDIコントローラーとしての機能が多彩である点が 低価格の物とは異なっています。もし、ソフトと同期させて複雑な事をしたい場合はこういう製品をチョイスするのも良いと思います。 若干鍵盤のタッチに拘っているような製品もありますが、こういうタイプのキーボードで鍵盤の質に拘るのはナンセンスです。 ちゃんとした鍵盤で演奏したいならば電子ピアノを買うべきです。

Cubaseを使いたい場合

Cubaseの廉価版はCubase LE。バンドルとして附属している製品はMIDIキーボードでは残念ながらありませんが、 ALESIS、TASCAMの低価格帯のオーディオインターフェースに附属しています。

SONARを使いたい場合

廉価版は名称にLEが付くだけですが、実際はcakewalk production plus packという名前で、他のソフトとまとめて バンドルになっています。なんともややこしいです。Roland、EDIROLブランドの製品に附属します。どっちも要するに Rolandなので、ブランド名はRolandで統一しておきます。