怪我の予防(1) 指の筋力トレーニング

前回予告した通り、今回の記事は手や腕のコンディショニングについてです。

さて、楽器を練習で腱鞘炎などの故障に見舞われる原因にはどんなものがあるでしょうか?
色々考えられるかと思いますが、私は以下の要素に分類が出来るんじゃないかと思います。

1 フォーム
どの楽器でも演奏な適したフォームを身につけた方が良いのは言うまでもないですよね。
ですが、これは練習で身につけるしかないので今回は多くを語りません。

2 体質
故障し易い人もいますし、頑丈な人もいます。
これはどうしようもない事ですね。とりあえず脇に置いておきましょう・・・。

3 脱力
今回のポイントその1ですね。
多分一番の重要事項です。
普通に練習していてもある程度身に付く事ですが、ここでは楽器練習以外のアプローチについて書いてみたいと思っています。

4 筋力
ポイントその2です。
別に握力が100kgあったらすんごいテクニックが・・・。
とか、そういう事ではなくて、もう少し繊細な話になります。

まあ、以上のように分類してみた訳ですが、1と2はとりあえず置いておいて3と4を軸に考えていきましょう。脱力については長くなりそうなので次の記事に回すことにして、まずは4の筋力から。

筋力というと何か瞬発的な力をイメージしがちですが、ここで重要な点はバランスの良い筋肉の発達です。通常、筋肉は大きく分けて伸ばす動作の筋肉と曲げる動作の筋肉が一対になっています。
筋肉というのは歪な発達の仕方はし難いようにできていますので、対称的な動きを司る筋肉がバランス良く発達していくのが理想的です。しかし、楽器の演奏というのは多くの場合においては一方通行です。
多くの楽器では曲げる動作の方が大きな負荷を伴って連続していて、伸ばす動作というのはあくまで曲げた物を元に戻すための補助的な役割になっています。

楽器だけではバランスよく筋肉を発達させるのはなかなか難しい事です。楽器ごとに補助的なトレーニングが構築されるのが一番良いですが、とりあえずここでは簡単に指を伸ばす筋肉を鍛える方法を紹介しておきましょう。
ただ輪ゴムを指先に引っ掛けて、指を開く動作をするだけです。イメージとしてはこんな感じ↓

写真とるのが面倒くさいので(汗)楽天の商品リンクを使っていますが、別にこの道具じゃなくてただの輪ゴムでオッケーですよ。輪ゴムは100円ショップなんかで太めのが何種類かあると思いますので、適当なものを入手してください。

筋肉のトレーニングとは言っても暇な時にでもビヨビヨやっていればいいんですから、そんなに高負荷にする必要はありません。むしろ、やり過ぎて怪我したりしたら本末転倒ですので、ほどほどに。

さて、とりあえず今回紹介するトレーニングはこれだけなんですが、たったこれだけでも演奏後の手の疲労が回復しやすくなったり、フィンガリングが滑らかになったりします。もちろん個人差がある事なので、効果100%なんて言えませんが。
ちなみに、こういうトレーニングをもっと掘り下げたい場合は正しいピアノ奏法―美しい音と優れたテクニックをつくる 脳・骨格・筋肉の科学的研究による革新的メソッドという本が非常にお勧めです。ピアノ奏法とタイトルに付いていますが、ひたすら指の筋肉のトレーニングと解剖学的な解説の本です。ちょっと読み難い本ですが、指を使う楽器の奏者ならば一読の価値があると思います。

以上、今回は伸筋の筋力トレーニングを取り上げてみました。
次回は脱力編という事でちょっとマニアックな話題を取り上げてみたいかなと思っています。

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