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ギターの教則DVD

このページではギター用の教則DVDを紹介します。洋物かぶれというお叱りを受けそうですが(汗)、基本的に外タレメインです。国産でも最近は結構内容のある良い物が出ていますので、そういった物はもちろん紹介します。洋物のDVDに関しては字幕あり、日本語解説書付き(出来が悪い物が多いので直で英語を頑張って聞いた方が良いと思いますが。)、字幕も解説書もなしと3通りあります。各ソフトに併記しておきます。役に立つかわかりませんが、字幕/解説書なしに関しては英語の難易度も一応併記しておきます。私自身が雑食性の音楽趣味なのでジャンルが支離滅裂になっています。その点はどうぞご容赦下さい。


クリエイティブフォース/パット・マルティーノ(Creative Force/Pat Martino)

amazon→Creative Force/Pat Martino(英語のみ)

私の中では60〜70年代のパット・マルティーノは神様です。
そんなマルティーノ師匠がマイナーコンバージョン(マイナースケールをあらゆるコードに適用する方法論)等、演奏のロジックを余すところなく語ってくれる、非常に濃いソフトがこのDVDです。実は私はVHS時代に入手したのですが、当時は2巻構成で両方買うと余裕で1万円越えていました。他の教則DVDもそうですが、値段がメチャクチャ安くなっているのは非常に助かります。VHS当時は日本語の対訳ブックレット付きだったのですが、現在は英語オンリーです。発音は癖がありませんが、魅惑のディープボイスなので英語に自信がないとちょっとつらいかもしれません。続編のQuantum Guitar: Completeは日本語字幕付きなだけにその点はちょっと残念です。


ジャズラインズ/ジョー・パス(Jazz Lines/Joe Pass)

amazon→Jazz Lines/Joe Pass(英語のみ)
【日本語対訳書付】ジャズ・ラインズ / ジョー・パス [DVD](対訳書付き)

ジョー・パスによるシングルトーンでのソロラインの解説がメインの教則DVDです。解説と言いましたが、ジョー・パスのプレイスタイルはオーソドックスな手法から逸脱せずに弾き続けるところに醍醐味がある訳ですから、解説そのもののよりコードごとに弾いてくれる、沢山のフレーズがこのDVDのメインです。(理屈の面で敢えて触れるとするとII-VのllはVの一部と捉えているという点ぐらいでしょうか。)II-V-Iのフレーズネタを増やしたい方にお勧めです。最近対訳書付きも流通し始めたようですのでリンクを追加しました、ただ、内容的にもフレーズ中心なので、英語がある程度大丈夫ならばあんまり必要ないのでは?


ソロジャズギター/ジョー・パス(Solo Jazz Guitar/Joe Pass)

amazon→Solo Jazz Guitar(英語のみ)
【日本語対訳書付】ソロ・ジャズ・ギター / ジョー・パス [DVD](対訳書付き)

上のJazz Lineとは打って変わってこちらはソロスタイルの解説です。I-Vl-ll-Vというのはどのコードもメジャーコードにしたり、マイナーコードにしたりと一つのベースラインの中で色々な論理的整合性のあるコード進行ができる動きです。このI-Vl-ll-Vを軸としてコードの動き、シングルラインの組み立て等の方法論の解説が行われます。どちらかというとコードの方に比重が置かれているかなと思います。解説は平易で非常に分かりやすいですし、英語も比較的聞き取り易いです。対訳書付きが出ましたが、私は中身を見ていないのでちょっと分かりません。


ブルーサイドオブジャズ/ジョー・パス(Blue Side of Jazz/Joe Pass)

amazon→Blue Side of Jazz/Joe Pass(英語のみ)
【日本語対訳書付】ブルー・サイド・オブ・ジャズ / ジョー・パス [DVD](対訳書付き)

上のSolo Jazz Guitarと一対になる教則DVDです。こちらの教則DVDでは基本的なブルースを様々なアプローチを使用して発展させていく方法を実践的に語っています。Solo Jazz Guitarの方がダイアトニック的な部分をフォローしていたので、こちらと一対で見るとジョー・パスの方法論が大体俯瞰出来る内容になっています。解説は平易で非常に分かりやすいですし、英語も比較的聞き取り易いです。対訳書付きが出ましたが、私は中身を見ていないのでちょっと分かりません。


アラン・ホールズワース(Allan Holdsworth/Allan Holdsworth)

amazon→Allan Holdsworth(日本語字幕あり)

私の中ではマルティーノと並ぶ最も偉大なギタリストであらせられまする、アラン・ホールズワース師匠の教則DVDです。なんでそんなに好きなのに上の方で紹介していないのかと言うと、まあ普通はあまり教則としての用途は果たせないと思われるからです。(笑)
自分でスケールを割り出した逸話なんかはホールズワース好きの間ではわりとよく知られているのではないかと思いますが、スケールごとに自分独自で記号付けて命名していたり、独自の論理展開全開な上、解説は適当です・・・。スタジオライヴ中心の構成なので手元がクローズアップで見る事ができますので、唯一無二の超人的なプレイを間近で見たいという方はどうぞ。


ギターメソッド/トニー・ライス(Guitar Method/Tony Rice)

amazon→Guitar Method/Tony Rice(英語のみ)

フラットピッキングの雄、トニー・ライスによる140分もの豊富なコンテンツを収めたDVDです。ホスト役のハッピー・トラウムの突っ込みもなかなかにツボを心得ていて、非常に充実した内容になっています。初めはWild Flowerとかスタンダードなところから入っていきますが、ただのオープンコードのCとかGとかFからこんなに多彩な響きとメロディックさを引き出せる物かと感心させられます。また、単にトニー・ライスの演奏スタイルという事ではなく、カーターファミリーのスタイルやクラレンス・ホワイトのスタイル等、大まかなフラットピッキングのスタイルの変遷にも触れています。ブルーグラスというジャンルの性質上、細かいストラミング等はなかなか譜面で表すのは困難なところですが、楽譜もクロスピッキングのダウン/アップの方向も併記されている親切設計です。一つ一つの曲をマスターするのは結構骨が折れる作業になると思いますが、アコギの弾き方が大きく変わる一本だと思います。残念なのはトニー・ライスご本人がなんらかの病気なのか、声がガラガラになってしまっており、結構言葉が聞きづらい点です。英語で構わないから字幕が付いていたら良かったんですが。


トニー・ライス マスタークラス/トニー・ライス(Tony Rice Master Class/Tony Rice)

amazon→Tony Rice Master Class/Tony Rice(英語のみ)

冒頭でも語られますが、上のDVDで収めきれなかったので追加ですという作品です。こちらはさらに追加で10曲ほど楽曲がレクチャーされています。若干変則的なアプローチを使用する曲や上のDVDのShenandoahのようなソロスタイルでのバラードも収められていますので、 Guitar Methodの方が気に入ったら買いだと思います。


チョップ・ビルダー/フランク・ギャンバレ(Chop Builder/Frank Gambale)

amazon→Chop Builder/Frank Gambale(英語のみ)

フィットネスビデオのパロディーのようなお馬鹿な構成の教則DVDですが、内容は超ハードです。70分近くひたすらエクササイズです。技巧ではトップクラスのフランク・ギャンバレらしいテクニカルな内容なので相当しんどいです。(ギャンバレ先生の後ろで弾いている生徒2人がトップスピードに入ると時々苦笑いしているのが笑えます。)ビデオ版当時は日本語字幕が付いていたのですが、DVDには調べた限りでは付いていないようです。でも多分あんまり必要ないんじゃないでしょうか。ひたすらエクササイズですので・・・。リズム、スケール、クロマチック、スキッピング、スイープ、レガート、ストレッチ等ほとんどの要素を含んでいるので、日頃の練習に部分的に抜き出してやるのも良しなんじゃないでしょうか。ウォームアップのトレモロピッキングなんかも何気なくコードトーンを押さえていたりしますので、コードやスケールもちゃんと意識して練習すると指板理解の相乗効果も望めます。通してやると実は中盤のスケール(メジャー、メロディックマイナー、ハーモニックマイナー、ディミニッシュ、コンディミ、ホールトーンで全ての3note per stringsのフォームを通して弾きます。)を連続で弾いていくところが持久力的に一番苦しいんじゃないかと思います。ギャンバレ本人は余裕たっぷりなんですが・・・。


モンスターリックス/フランク・ギャンバレ(Monster Licks-Speed Pick/Frank Gambale)

amazon→Monster Licks-Speed Pick [DVD] [Import](英語のみ)

フランク・ギャンバレと言えば、スイープピッキングが第一に浮かぶんじゃないでしょうか。
ギャンバレはギター講師としても活躍しているため非常に多くの教則を発表していますが、スイープに特化した内容のDVDは今のところこれだけだと思います。ダイアトニックスケールやアルペジオをスイープで処理するのは今となっては結構一般的になっていますが、ペンタとニックにまでスイープを適用したり、リズミックな変化を付けるための方法論等も出て来たりと、一つのテクニックのみでこの情報量はさすがの一言です。ラストにモンスターリックと銘打ってもの凄い長尺のスイープフレーズを分解して手取り足取り教えてくれます。手取り足取りでも弾きこなすのは相当骨のいる作業ですが。(笑


モード:ノーモアミステリー/フランク・ギャンバレ(Modes No More Mystery/Frank Gambale)

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スイープづくしの前作とは打って変わって、モードの方法論について解説する理論系の教則です。
どうでも良い事ですが、タイトルはVHS時代のカタカナ表記をそのまま持って来たんですが、名前がフランク・ガンバレになっていたのはさすがにいたたまれないので勝手に直してしまいました・・・。

メジャー・スケールのモーダルな使用法を解説しています。各モードごとに解説→モーダルなコード進行でのデモンストレーションという流れになっています。私が買った当時(1995年前後かな?)はあまりこの手の解説を懇切丁寧にしてくれている物が存在しなかったので、非常に重宝していた覚えがあります。最近は理論等についても結構教則が増えて来ているので、ひょっとしたらもっと分かりやすい物が出ているかもしれませんが・・・。


ジャズロックマスタリー/スコット・ヘンダーソン(Jazz Rock Mastery/Scott Henderson)

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VHS時代は2本別売りだったシリーズを一本にまとめたDVDです。
1本目はコードごとの使えるスケール、アルペジオ等の理論編で、2本目は実際のアプローチの仕方の実践編という感じの構成になっています。

非常にアカデミックな話をしているにもかかわらず、何故か微妙にチンピラっぽい空気を醸し出すスコヘン先生。リズムの解説するのに何故か下ネタを真顔で連呼する困った人ですが、さすがにそれぞれの解説ごとのデモ演奏は圧巻です。

このDVDのキモはやはりVHS時代の2巻目にあたる後半部分の方だと思いますが、前半部分のアルペジオの使用法なんかもなかなか秀逸です。アルペジオだけでもこんな風に生きたフレージングができるんだという説得力のある実例は、やはり圧倒的な実力があってこそ成せる技だと思います。


トータル・エレクトリック・ギター/エリック・ジョンソン(Total Electric Guitar/Eric Johnson)

【日本語対訳書付】トータル・エレクトリック・ギター / エリック・ジョンソン[DVD](対訳書付き)
Total Electric Guitar [DVD] [Import](英語のみ)

エリック・ジョンソンの1本目の教則です。
影響を受けたプレイヤーを一人一人取り上げてそれぞれの演奏スタイルをどんな風に自分自身のスタイルとして取り込んでいるのか、実際の演奏で紹介してくれます。ここで紹介しているDVDの中では珍しくフレーズ集的な感じの強い1本ですね。


ファイン・アート・オブ・ギター / エリック・ジョンソン(Fine Art of Guitar/Eric Johnson)

【日本語対訳書付】ファイン・アート・オブ・ギター / エリック・ジョンソン[DVD](対訳書付き)
Fine Art of Guitar [DVD] [Import](英語のみ)

エリック・ジョンソンの2本目の教則。
VHS時代は2本セットだったんですが、DVDでは一本で登場です。今思うとなんで2時間も無いのにテープが分かれていたのか謎ですね。早送り/巻き戻しに便利だからとかでしょうか?DVD化にあたっては残念ながら字幕ではなくなってしまったようです。対訳書が字幕をそのまま紙に起こしたのであれば、まともな内容になっていると思います。 1本目とは打って変わってこちらの作品ではテクニック、フレージング、コードワーク等についての詳細な方法論を語ってくれます。非常に含蓄のある話が詰まっています。標準的で明瞭な話し方なので、英語はもっとも分かりやすい部類ですが語っているパートが非常に分量が多いので、英語に自信がない場合は対訳付きにしておくのが無難かもしれません。


フィンガースタイル・マスタリー / タック・アンドレス(Fingerstyle Mastery/Tuck Andress)

【日本語対訳書付】フィンガースタイル・マスタリー / タック・アンドレス [DVD](対訳書付き)
Fingerstyle Mastery (Sub) [DVD] [Import](英語のみ)

ソロギターと言えばやはり一番に名前が浮かぶのがタック・アンドレスです。
ただ、技巧派と呼ばれるギタリストは数多くいる中、これほどテクニック的にコピーするのが困難なギタリストはあまりいないんじゃないでしょうか。

この教則ではその数々のテクニックを出し惜しみせず、かつ丁寧にレクチャーしてくれます。ただ後半の方に差し掛かってくると凄まじすぎて手に負えない感じになってくるのが 難点でしょうか。まあ完全に全てを真似する事はできなくても、ソロギターでのアレンジの構築法を十分に学び取れる濃い内容になっています。チャレンジしがいのある一本だと思います。

あとはなんと言いましょうか。
100mで10秒切る世界記録が出たらどんどん9秒台ランナーが出たように、レベルが振り切れた物を見るだけでも限界値が変わるような事もある訳でして。 単なる観賞用として楽しむのもありなんじゃないでしょうか。

英語は抑揚が少なくって、聞き取りがちょっとしんどい印象があります。個人的には対訳書付きがお勧めです。


マジカル・ギター・テクニック/ビル・フリゼール(Guitar Artistry of Bill Frisell)

amazon→Guitar Artistry of Bill Frisell [DVD] [Import](英語のみ)

一応、ジャズという分類になるのかな?
トラディショナルな臭いを漂わせつつもジャンル不明という、不思議な立ち位置のビル・フリゼールによる教則です。 独創性に溢れたプレーは一発でビル・フリゼールだと感じさせる物ですが、指板を理解し尽くしてこそ成り立つ演奏スタイルですので、 色物で終わるような内容ではありません。色々と別の視点から考えさせてくれるような練習法が興味深いところです。

それにしても、VHS当時リットーミュージックから字幕付きで出ていた教則はあまりDVD化されていないのが気になるところです。 うーん、採算的に厳しいのかな?ちなみに当時は邦題がついていたので、カタカナ表記のところはそちらのタイトルにしときました。 話は分かりやすいですけど、かなりシャイな感じなのでボソボソとしたしゃべり方です。


アル・ディ・メオラ(Al Di Meola/Al Di Meola)

Al Di Meola [DVD] [Import](英語のみ)

アル・ディ・メオラによる、全編アコースティックギターでのピッキングテクニック主体の教則。
最近のこの人の音作りはやたらエフェクティヴで個人的には「?」という感じなのですが、このDVDの頃はナチュラルな音で演奏しています。

アル・ディ・メオラと言えばフルピッキングでの早弾きというのが一般のイメージだと思います。もちろんアコギでもこんな精度で弾けるギタリストは稀ですが、私はそれ以上にアルペジオでのピッキングのコントロール、ラテンらしいタイトで変化に富んだリズムに個性を感じます。 まあ、それらも全部力強くて無駄の無い右手の動きによって生み出される要素なので、ピッキングがメインの教則であることには変わりがないですね。

低音の効いた声なので若干聞き取りづらいかもしれませんが、基本的に譜例に従った内容になっています。英語が苦手でも大きな問題はないと思います。


ラリー・カールトン 1/ラリー・カールトン(Larry Carlton 1/Larry Carlton)

Larry Carlton 1 [DVD] [Import](英語のみ)
ラリー・カールトン1【日本語対訳書付】 [DVD](対訳書付き)

ラリー・カールトンの1作目の教則です。
この人は手元だけ見ているとなんというか不器用な感じがして、実際早弾きになると実は危ういところがあったりもしますが、とにかくダイナミクスだとか歌い回しだとかは抜群のコントロールを感じます。 耳で弾くギタリストとでも言えば良いでしょうか。

この作品は1989年のギタリストとして脂が乗り切った時期なので、何曲か挟まれるライブ映像での演奏のキレがとにかく半端ありません。ただのロングトーンを歌わせているだけでゾクゾク来ます。という事で私的には演奏だけで満足できてしまったりもしますが、教則としても結構面白い内容を取り上げています。 他のギタリストもよく取り上げますが、モチーフの展開例はこなれていてさすがですね。アプローチとして面白いのはトライアドを使ってインサイドな感じとアウトサイドな感じを出すあたりでしょうか。 この手のジャンルの物は大体ジャズっぽい進行の方に話が進みがちですが、一発物とブルースで話が進められています。このあたりはやはりセッションプレイヤーという色合いが強いせいでしょうか。

解説は意識して丁寧しゃべっている感じではありますが、若干ボソボソした感じです。対訳付きの選択もありですね。


ラリー・カールトン 2/ラリー・カールトン(Larry Carlton 2/Larry Carlton)

Larry Carlton 2 [DVD] [Import](英語のみ)

2なんてタイトルがついているので、連続で撮ったのかと思いきゃ3年後の撮影。
銃撃事件のせいかわずか3年で急に老けていてちょっと痛ましいです。まあ、話しっぷりは元気そうなんですが。

こちらは一つの局面に違ったアプローチで演奏する例を中心とした内容となっています。何故か1の方は対訳書付きですが、こちらは付いているのが見当たりませんでした。(VHS当時は字幕付きだったのですが、久々に見直したらやたら断片的な手抜きだったので無しなら無しでも良いような気も・・・。) 理論的な話で出てくるのはコードが動いている時にロングトーンを弾くのにコードの共通音を使用する話と、トライアドの使い方、ブルースで6度と7度を使い分ける話ですね。トライアドに関しては1の方みたいなややこしい話ではなくて、単にトライアドの分散でリフが作れますよといった程度の話ですので、そんなに難しい事は言っていません。


プレイン・ザ・ブルース/ロベンフォード(Playing the Blues/Robben Ford)

Playin the Blues [DVD] [Import](英語のみ)

ロベン・フォードの一作目の教則。

タイトルの通り、ブルースの基本的なところを教えていくというコンセプトですが、 一般的なブルース入門という感じではなく、あくまでロベン・フォード流。 一応、フォーマットはごく基本的なブルース進行に留まっていますが、 その範疇での振れ幅は相当大きくなっています。

前半はソロの方法論で、3つのスケール(とは言ってもマイナーペンタの派生)を 弾きわけて見せてくれます。マイナーペンタ、マイナーペンタ+♭5thも紹介されますが、 なんと言っても特徴的なのはマイナーペンタの7度の音を6度に変えたスケールでしょう。 BBキング的だと本人は語っていますが、むしろロベン・フォード的だと形容したくなる 響きのスケールです。

スケールに続いてはテクニック的な部分の解説。
独特な左手のフィンガリングなんかは正直、私は真似しようと思わないですね。 手が大きかったら良いのかもしれませんが。ピッキングに関してはまあ、普通に 見て終わりという感じです。ピックの当てる箇所が変なのがちょっと面白いです。

面白かったのはチョーキングのパート。
一般的にはブルースと言えば全体的にルーズな印象がありますが、この人の場合は リズムにしろ音程にしろ非常に整然としているところが個性でもある訳ですが、 常にターゲットとなる音を明瞭に意識しているところが解説から伺い知れます。

そして最後にバッキング。
ここまでで大分長くなってしまいましたが、実はこの教則の一番秀逸なのは ここからです。テンション絡みのコードワーク、3度音程/6度音程の2音に よるバッキング等、非常に洗練されたバッキングを背景の考え方も含めて 紹介してくれます。この教則を初めて見た当時、類するバッキングの方法論を 他で見た事がなかったので、「知りたかったのはこれだ!」と衝撃を受けた 記憶があります。ブルース形式の中のみである点が残念なところ。 むしろ、このパートだけで一本丸々教則作って、あらゆるフォーマットで 解説と実演を見せてくれたら最高だと思うのは私だけでしょうか。

英語に関しては非常に聴き取りやすい部類に入りますので、対訳なしでもある程度英語力が あれば大丈夫だと思います。英語はNGな場合は結構解説の分量があるので、譜面だけさらう 感じになってしまうかもしれません。


ブルース・アンド・ビヨンド/ロベン・フォード(Blues & Beyond/Robben Ford)

Blues & Beyond [DVD] [Import](英語のみ)

ロベン・フォードの二本目の教則。前作の続編という位置付けですが、 初級から上級に一気にシフトした感じです。

一曲目のRumba Bluesはブルース形式に留まっていますが、それ以降は Byondが振り切れてBluesを勉強しようと思って手を出すと火傷しそう。 全体の構成としては例題曲があって、ソロとコンピングを見せて、さらっと その中身について語るという、セミナーっぽい形式なんですが、軽く話すノリで ジャンジャンと濃い話が続くので一時も聞き逃せません。 ちょっと濃縮され過ぎてもったいないような気も。素材としてはもっと詳細な 解説付きで2本にばらしても良かったんじゃないかとも思います。

話の内容ももちろん重要なのですが、なんと言ってもデモ演奏の中身が筆舌に 尽くし難いすばらしさなので、この教則はコピーして消化してなんぼです。 デモ演奏は相当量ブックレットに譜面化されていますが、全部ではありません。 譜面化されていない分は自力でのコピーが望ましいと思います。 VHSでは巻き戻しやらなんやらがもどかしくてひどくストレスを感じたものですが、 DVD化にあたって使いやすいセクション切りが成されているかがちょっと気になる点です。

英語に関しては一作目と同様分かりやすいんですが、いかんせん話が進むのが早いので 一時停止して咀嚼しながら見ていかないときついと思います。 まあ、もし字幕がついていても同じだと思いますが。英語がきついというより 話題が進むのが早過ぎるというだけなので。

以下、順次追加予定・・・